コーヒーの起源

コーヒーの豊かな歴史

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コーヒーは、現代の慌ただしい生活に欠かせない存在であり、ココロとカラダを目覚めさせ日々の可能性を開いてくれるインスピレーションの源です。しかし、それだけではありません。コーヒーはグローバルな文化であり、今も昔も愛され続けています。元々コーヒーはどこから生まれ、どのように広まったのでしょうか?コーヒーの歴史を詳しく見ていきましょう。

「ネスカフェ」の歴史

世界で初めてのカフェは、1475年にコンスタンチノープル(現在のイスタンブール)に誕生しました。店を訪れた人々は、お気に入りのコーヒーを楽しみながら、最新の情報を仕入れ、噂話に花を咲かせました。


コーヒーの歴史に関する引用

口コミで急速に広がる

コーヒーはエチオピア発祥と考えられていますが、15世紀には紅海を超えて北方のイエメンに伝わりました。やがてアラビア半島のイエメン地域で栽培が始まり、16世紀にはペルシア、エジプト、シリア、トルコにも広がり、高い人気を集めました。
The word quickly spread

世界初のカフェ

1475年、コンスタンチノープル(現在のイスタンブール)に世界初のカフェがオープンしました。当時、人々は毎日の日課として、また客をもてなすために自宅でコーヒーを飲んでいました。それが外出先でカフェを訪れ、コーヒーを飲むだけでなく、おしゃべりを楽しんだり音楽を聞いたり芸人のパフォーマンスを見たり、チェスや噂話に興じたり、最新のニュースを仕入れるようになったのです。現代のようなテクノロジーがない時代、カフェは情報交換の場として急速に発展しました。カフェは「賢者の学校」とも称されました。そして、毎年世界中からメッカを訪れる大勢の巡礼者によって、この「アラビアのワイン」であるコーヒーの評判が急速に広まり始めたのです。
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ヨーロッパへの伝播

その後、コーヒーの歴史は新たな展開をたどります。このエキゾチックな飲み物がヨーロッパからの旅行者の間で話題を呼び、彼らを魅了しました。17世紀にはコーヒーがヨーロッパに上陸し、欧州全域に次第に広がりました。 ヨーロッパのコーヒーの歴史はイタリアで始まりました。オスマン帝国からイタリアに持ち込まれたのです。なかでもベネチアの商人は、ヨーロッパでのコーヒー人気の広がりに貢献し、1645年に欧州発のカフェがベニスに誕生しました。特に富裕層の間でコーヒーを飲む習慣が定着しました。 オランダ東インド会社とイギリス東インド会社を介して、イギリスでもコーヒーの人気が高まりました。1651年にオクスフォードにイギリス初のカフェがオープン、これに続きロンドンを中心に続々とカフェが誕生しました。カフェを利用できるのは男性だけで、仕事やニュースを論じる紳士の社交場でした。ロンドンのカフェから、様々な新事業やアイデアが生まれたと言われます。
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コーヒーがパリに到達

1669年、ルイ14世時代にトルコ大使を務めたスレイマン・アガがパリにコーヒーを持ち込みました。当時「魔法の飲み物」と称されたコーヒーの袋を携えてフランスに帰国したのです。わずか2年後の1671年、パスカルという名のアルメニア人がサンジェルマンの市場にコーヒーブースを作りました。すぐに、この「petit noir(小さな黒い飲み物)」(今もフランスに残るコーヒーの俗称)を求めて客が訪れるようになりました。これがパリのカフェの始まりです。当然ながら、これをきっかけにフランス各地にカフェが登場しました。 その後30年の間に、コーヒーはオーストリア、ドイツ、スペイン、それ以外の欧州諸国の文化の一部になりました。とはいえ、寒冷なヨーロッパでコーヒーを栽培するのは難しく、ヨーロッパの商人は次第に他の地域でコーヒーの栽培を手がけるようになります。
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アジアでのコーヒー人気の高まり

1600年代まで、コーヒー豆のほとんどがイエメン産でした。良質な豆が国外に持ち出されないよう、厳しく監視されていました。ところが、イスラム教の巡礼者ババ・ブダンがコーヒーの歴史を永遠に変えることになったのです。メッカ巡礼に旅立ったブダンは1600年、盗んだ数粒のコーヒー豆を手にインドに帰国しました。英国人入植者の協力を得て、この豆をもとにアフリカとアラブ以外の地域で初めてコーヒー栽培が始まったのです。現在もインドではコーヒーが生産されています。 1600年代末にはオランダの商人がコーヒーをインドネシアに紹介し、その後100年の間にスラウェシ、スマトラ、ジャワ、バリなどインドネシアの多くの島々に広がりました。しばらくの間、インドネシアの島々がコーヒー生産量で世界のトップを占めていました。 1800年頃には、フランス人入植者がタイ、ベトナム、カンボジア、ラオスでコーヒーを栽培しました。17世紀後半にオランダ人もようやくコーヒー栽培を認められ、現インドネシア領のジャワ島にコーヒー農園を作りました。良いコーヒーが育ち、オランダ人はコーヒー貿易に大きな役割を果たし始めました。
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大西洋を越えて‐新大陸におけるコーヒーの起源

ヴァージニア植民地を築いた軍人ジョン・スミスが、1607年にジェームズタウンの入植者たちにコーヒーを紹介しました。しかし最初は受け入れられず、紅茶の方が好まれていました。1670年、ドロシー・ジョーンズが初めてボストンでコーヒーを販売する許可を取得しました。1700年代半ばまで、多くの酒場はコーヒーハウスとも呼ばれていました。とはいえ、紅茶が依然として人気でした。ボストン茶会事件を機に紅茶を飲むのは非愛国的とみなされるようになり、コーヒーが次第に定着しました。 新世界の熱帯気候はコーヒー栽培に理想的と考えられ、中米各地にコーヒー農場が急速に広がりました。1726年には、この地域で初のコーヒーが収穫されました。南米諸国も、十分な日照と雨量と高温多湿な気候、それに肥沃な土壌に恵まれていたため、コーヒー栽培に適していました。18世紀半ばには、プランテーションを作るため広大な熱帯雨林が伐採され、南米諸国がコーヒー生産国の上位に浮上しました。現在、ブラジルはコーヒー生産量世界1位です。
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