コーヒーの味わいや香りは極めて複雑なため、品質を確保するには熟練のテイスターの存在が欠かせません。コーヒーの品質を評価し判定するには、長年の鍛錬と経験が求められます。定評あるコーヒー会社はどこも専属のプロのテイスターがいます。心を軽やかにする一杯の安定した品質を保証するには、それが一番なのです。
コーヒーの収穫後、収穫されたコーヒーチェリーは精選工程に送られます。この工程で、外皮と種を包む薄皮が取り除かれます。こうして出来たものはグリーンコーヒーと呼ばれ、この段階の品質管理が重要です。ネスレのエキスパートは、すべての原産国のコーヒー生産者と緊密に連携しています。世界に名だたる「ネスカフェ」に相応しいコーヒー豆を原料として確保するには、これこそが唯一の方法なのです。
ネスレは、世界各地に6か所ある専門コーヒー品質管理センターを通じて、すべてのコーヒー生産者と緊密に連携しています。生産者が最新の食品安全基準を遵守できるよう支援も行っています。最終的に、「ネスカフェ」のプロのテイスターが出荷前にコーヒーの品質を徹底的に検査します。
最近のプロのコーヒーテイスターは徹底した訓練を受けているため、試飲したコーヒーの特徴をめぐる彼らの判定はおおむね一致します。
工場に届いたコーヒー豆は、皆さんが大好きな「ネスカフェ」になる前に、最後にもう一回品質検査を受けます。世界にある「ネスカフェ」の全工場にプロのテイスティングチームが配置されています。ネスレでは、すべての一杯を新鮮で美味しいものにするため多くの品質検査を実施していますが、最後の関門としてプロのテイスターの舌を満足させなければなりません。
私たちは、こうした形で大小さまざまな規模のパートナーと協力して影響力を及ぼし、より美味しく品質が高い、持続可能なコーヒーを作り続けています。
コーヒーテイスティングの専門家は、コーヒーの微妙な違いを見分けられなければなりません。栽培や精選、焙煎の方法が最終的に味わいにどのように影響しているのでしょうか? 土壌による違いか、水のやり方や肥料の与え方の問題なのでしょうか?コーヒー 豆を保管する袋の種類で、味わいが変わる可能性もあります。
実は多くのコーヒーテイスターが、Sensory Lexiconと呼ばれる用語集を使用しています。コーヒーのさまざまなフレーバーの強さを表現する、業界関係者のための手引きのようなものです。100種類を超えるフレーバーが収載され、次のように分類されています。
フローラル、スパイス、スイート、ココア フルーティ、グリーン/ベジテイティブ ローステッド、シリアル、ナッティ
それぞれのグル-プが、さらに多くのフレーバーに分けられます。例えば「スイート」の中には、糖蜜、メープルシロップ、ブラウンシュガー、キャラメル、ハニー、バニラが含まれます。
コーヒーテイスターとして一目置かれるためには、長年の経験が必要です。プロのテイスターとして認定されるには、「カッピング」を極めなければなりません。カッピングとは、コーヒーの複雑な味わいや香りを見分ける技術のことで、このようなことを身につけます。
「Le Nez du Café」アロマキット 36種類のコーヒーの基本的な香りを嗅ぎ分けます。
センサリースキルズ 甘み、酸味、苦味などのさまざまな味わいの強さを判定します。
ピア・キャリブレーション ブラインドテイスティングを行い、経験豊富なテイスターと同じ判定を下せるようにします。
コーヒーテイスティングコースの講座を探せば、プロの資格取得の仕方を教えてくれる国内の団体が見つかるでしょう。学科試験と実技試験に合格するには、一生懸命に勉強してテイスティングのスキルとコーヒーの知識を身につける必要があります。
コーヒーテイスターは、コーヒーが出来るまでのプロセス全体を知っておく必要があり、この知識があれば、カップに注ぐ前の段階でコーヒーの品質を向上させる方法を見つけられます。次のような知識が求められます。
コーヒーの土台
コーヒーづくりを支える農業と技術
コーヒーの加工
コーヒー豆の保存、脱穀、焙煎方法
コーヒーの品質
製造プロセスでのコーヒーの取り扱い方、それが最終的な品質に与える影響
確かに覚えることはたくさんあります!しかし、コーヒーテイスティングへの真摯な取り組みのおかげで、ネスレのコーヒーは美味しくなり続けているのです。自分もテイスターの技術を学びたいと思った方も、上質なコーヒーを味わえればそれで十分という方も、「ネスカフェ」と歩む道のりのすべてをお楽しみ下さい。