好みのコーヒーを知る

好みの焙煎度を見つけよう

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朝に飲む一杯のコーヒーは、さまざまなプロセスを経てできあがります。一日を明るくする至福の味わいを生み出すために、「ネスカフェ」のコーヒーは独自の焙煎プロセスを採用しています。これによって、カフェイン含有量やフレーバーが決まります。焙煎はそれ自体がまさに芸術であり、驚くべきことに、ちょっとした違いで(わずか2~3℃の違いで)豆の味が変わってしまうこともあるのです。
焙煎

ステップ1:生豆を取りだす

焙煎する前に、まず何層にもなったコーヒーチェリーから生豆を取りだします。コーヒーチェリーの真ん中にある豆の部分だけを取りだして使用します(一般に、コーヒーチェリーから2個の生豆が取れます)。コーヒーチェリーは、外皮、果肉、ミューシレージ、パーチメント、シルバースキン、中心にある生豆の6層で構成されます。

質の高い焙煎

コーヒー豆の6つの層

外皮/外果皮:普通のチェリーと同じように、コーヒーの種子も果肉に覆われています。外皮は最初は緑色ですが、熟すにつれて黄色、オレンジ、最後には赤へと変化します。

果肉/ミューシレージ/中果皮:外皮の下には、種子を持つ果実の多くに見られる甘い粘液質の層があります。種子を覆うこの粘液層は糖分を多く含み、コーヒー豆の味に大きく影響します。

ペクチン:コーヒー豆を守る役割を果たし、セルロース層でできています。

パーチメント/内果皮:豆をとりまく硬く厚い層のことで、乾燥するとパーチメント紙に少し似ています。

シルバースキン/薄皮:名前の通り銀色の非常に薄い層。この層は種子(コーヒー豆)に付着しているため、焙煎の工程で取り除きます。チャフとも呼ばれます。

種子/コーヒー豆:チェリーの中で熟すきれいな緑色の豆。焙煎すると誰もが知っているあのコーヒー豆になります。

質の高い焙煎

コーヒー豆を自然乾燥させると、糖分が発酵して果物のような風味が生まれます。水で洗って果糖を取り除くと、コーヒー本来のコクのあるフレーバーが残ります。


焙煎プロセスに関する引用

ステップ2:豆を精製する 

焙煎の前にコーヒー豆ならではの精製という段階があり、精製は水洗式(ウォッシュド)と乾燥式(ナチュラル)があります。

乾燥式(ナチュラル)
乾燥式はアンウォシュッドまたはナチュラルとも呼ばれ、最も古くからある精製法です。収穫したチェリーの汚れをとり、台の上や中庭に薄く広げて天日乾燥させます。乾燥式とは果肉をつけたまま乾燥させる工程を指します。果肉除去は、コーヒーの種子と果肉の層を分離するプロセスです。コーヒーチェリーの収穫後24時間以内に果肉を取り除かなければなりません。この時間を過ぎると、果実感が強くなり過ぎて腐敗し、コーヒーの品質が損なわれます。

水洗式(ウォッシュド)
水洗式では、果肉を除去した豆を乾燥させてから発酵させ、豆とパーチメントの周りに残っているペクチンを取り除きます。最後に豆を水で洗って乾燥させます。水洗式は果肉を除去してから乾燥させます。この方法で加工されたコーヒーは、ウェットプロセスドコーヒー、またはウォッシュドコーヒーと呼ばれます。水洗式には特別な設備と大量の水が必要です。

質の高い焙煎

次にコーヒーチェリーを水に浸して選別します。不完全な果実や未熟な果実は浮き、十分に成熟した果実は沈みます。水中でチェリーをスクリーンに押し付け、機械を使って外皮と果肉をはがします。この処理を行ってもまだ残る果肉を取り除く必要があります。これには、昔からある発酵水洗式と、機械補助湿式と呼ばれる比較的新しい方法があります。

焙煎前の精製が味わいを左右し、自然乾燥させると、果肉の糖分が発酵するためフルーティーな風味になります。対して水洗式はより力強いフレーバーで、豆に影響を与える果肉や糖分がすべて取り除かれるため、すっきりした豆の味わいをストレートに感じられます。

ステップ3:焙煎プロセス

面白いことに、コーヒー豆は最初は緑色で青臭さがあります。収穫後の丁寧な焙煎プロセスを経て、おなじみの茶色い色と豊かな香りや味わいが生まれるのです。豆を釜に入れて加熱すると短時間で高温になり、豆が化学変化を起こします。目指す焙煎度に最適な温度に達したら、焙煎が進むのを防ぐため急速に冷却します。こういうと単純に聞こえるかもしれませんが、望む焙煎度合いに仕上げるためには鋭い観察力が求められます。

このガイドを通して、コーヒー豆の焙煎プロセスについて深堀りしましょう。

質の高い焙煎

焙煎の種類

焙煎には4つの種類があります。
いずれも個性的な風味と香りは、焙煎段階の違いによって生み出されます。

1.ライトロースト
豆が膨張して1回目のハゼが始まる直前で止めるため、「ファーストクラック」とも呼ばれます。焙煎温度は180~205℃、豆の色は明るい茶色で、表面の油分がほとんどないため乾いています。酸味が強く、フルーティーな香り高さも楽しめます。

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2.ミディアムロースト

名前の通りほどよい茶色の乾いた豆で、バランスのとれたフレーバーです。焙煎温度は210~220℃。風味、香り、酸味の調和がとれたミディアムローストは人気が高く、少し甘みがあり、しっかりしたコクと香りも楽しめます。

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3. ミディアムダークロースト

焙煎温度225~230℃のミディアムダークローストは、ミディアムより少し力強さが欲しいけれど、ダークローストほど苦味はいらないという方にぴったりです。豆の色が濃く表面に油分があり、ほろ苦い豊かなフレーバーを楽しめます。その上、焙煎時間が長いため酸味はほとんどありません。

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4.ダークロースト

最も重厚なローストで焙煎温度は240~250℃。黒い豆は表面が油っぽく、強い苦みがあります。力強い風味が際立ち、キャラメルのようなほろ苦さを感じられることもあります。

ミディアムダークローストとダークローストは、焙煎の途中で「セカンドクラック」が起きています。「ファーストクラック」では、豆がポップコーンのように音を立ててはじけたり少し膨れたりしますが、「セカンドクラック」はあまり大きな音がしません。焙煎を長時間続けると、豆の中の油分が外に出てくるため2回目のハゼが起きるのです。

質の高い焙煎

焙煎知識を深めることで感覚が目覚め、コーヒーを飲むたびにさらに大きな満足感を得られます。もっと詳しく知りたい方は、「コーヒーの豊かな歴史」をお読み下さい。

質の高い焙煎
コーヒーの文化を知る